EVENT REPORTイベントレポート

Kyoto Startup Monthly Discussion #18レポート(2022/11/16開催)

Kyoto Startup Monthly Discussionは、京都から若い世代の起業家を創出するため、京都で活躍する先輩起業家とのパネルディスカッションや交流を通して、起業に対するハードルを下げ、京都発の起業家や新たなビジネスの種を発信していくことをミッションとしたイベントです。

今回は「最短最速で起業・開業ができる環境の提供と支援」をテーマに、EVER株式会社の土屋耕喜さんをゲストに迎え、モデレーターの桺本さんを通じてお話をお伺いしました。

EVER株式会社はWhatever Groupとして、Whatever SHIMOGAMO、Shared Office & House EVER、River Sideの開発・管理・運営に関わったり、総合型コンサルティングサービスの提供行っており、特に、職住一体型複合施設Shared Office & House EVERに住む方に対する、開業・創業支援に力を入れています。
Shared Office & House EVERは、挑戦者のためのコミュニティシェアハウスとして、起業家やデザイナー、エンジニア、士業の方、またそれらを志す人達が集結し、12人(12部屋)のスモールエコシステムとなって連携。それぞれの目標に挑戦できる場として提供されています。

※右側:EVER株式会社の 土屋 耕喜さん
 左側:モデレーター 桺本 頌大さん

桺本さん:今の事業に至るきっかけを教えてください。
土屋さん:2年前に京都大学を卒業し、今年で26歳。現在EVER株式会社をやらせていただいていますが、実は5回目の起業になります。会社売却は3回経験していまして、この年齢では珍しい連続起業家、いわゆるシリアルアントレプレナーというポジションにいるのかな、と。

また、Shared Office & House EVERは、僕が少しアメリカに留学していたときの経験がきっかけで、当時住んでいた若手起業家が集うシェアハウスに、突然知らない投資家の方や、ベンチャーキャピタルの人がやってきて『プレゼンテーションをしてください、気に入ったら投資します』と言うんです。最初は怪しくて、警戒していたんですけれど、僕以外のみんなはやる気満々で自信を持って熱弁していて。文化の違いをすごくそこで感じましたし、その環境がすごく印象的で、京都でもそういうことがしたいなって思いまして。日本の方々は、他者を尊重するが故に、距離感も生まれがちですが、『起業家が集まっているシェアハウスだよ』と公言することによって、そういう環境が作れるのではないかな、と考えています。

桺本さん:なぜ京都でやろうと考えたのですか?
土屋さん:結論から言うと、街がとても若いからです。学生が多くて、若いっていうのと、大学をモラトリアムだと捉えていらっしゃる方が多い。社会に出るまでの間にどう挑戦しようかって考えて、模索している人たちが多くいる環境です。だからこそ、日本を代表するような起業家を作るっていう意味では、京都が1番バランスが取れているな、と強く感じますね。ただ、1つだけの懸念点として、起業家になることは、まだ少数派の選択肢。普通に企業へ就職を目指す方の方が、圧倒的に多い状況です。つまり、起業家が何かにチャレンジしたとして、普通の生活がすぐ隣にある状態のため、上手くいかない時ほど、その“普通”が異常なほどちらついてしまうのではないかな、と。

桺本さん:土屋さんは一般企業に就職したご経験は?
土屋さん:コンサル系の会社に就職して、そこで戦略等の修行をしていたことがあります。起業をするような行動力のある人たちが一般企業の器に収まるのは、正直きついです。そういうことを考えると、普通ってことに目を向ける機会を減らしたり、1人じゃないことを実感することが非常に重要で、だからこそ、シェアハウスだったら相乗効果はすごくあるよね、ということで、展開していくことになりました。

桺本さん:EVER株式会社はどこにあるのですか?
土屋さん:北白川にオフィスを構えています。都心部ではなく、大学が非常に多い場所です。EVERグループとしまして、左京区を中心に開拓したい、という想いが非常に強くて。街中っていうのは非常に情報が溢れていて、何か事業活動をするときに非常に目立ちづらいというデメリットがありますから。だからこそ、あの場所にオフィスを構えることはとても都合がよかったですね。

桺本さん:場所の選定が興味深いのですが、左京区にこだわる理由はなんですか?
土屋さん:共同代表の楪葉のセンスがとても高くて。そんな彼がよく言うのが、東京からリモートワークをする人がいる中で、京都に拠点を移す人がどんどん増えてきている。彼らは別に街中を求めて来ているわけではありません。要は、彼曰く、都市から離れてきている人たちに、わざわざまた都市を提供する必要はない、と。だからこそあえて彼はWhatever SHIMOGAMOを下鴨という場所で展開し、結果として現在は満室になっています。River Sideの方も問い合わせがすごいことになっていて、埋まりかけています。私たち自身も、左京区の重要拠点として認識してもらえるように、日々左京区の中で何が開発できるのかを意識しています。

桺本さん:Shared Office & House EVERの入居者は入れ替わっていくのですか?
土屋さん:一応、定期借家制度という形の1年おきの契約で、どんどん風通しの良い環境にはしたいな、とは思っていますが、引き続き挑戦されたい方は遠慮せず契約を続けてもらえればな、と。最終的には旅立って行って欲しいな、とは思っています。また、今後開発予定の300坪の複合型施設がありまして、そこにもシェアハウスを作る予定をしています。どんどん成長して、環境もよりグレードになっていくような体系っていうのを提供していきたくて、それが相対的評価に繋がるのかな、と考えています。

桺本さん:入居者同士の交流はありますか?
土屋さん:入居者の交流が盛んです。とはいえ、まだ始まったばかりですので、もっと入居者が入って来られたら、もっともっと交流が生まれると思いますし、僕たちとしても、一緒にお仕事できるんじゃないかな、と感じています。シェアハウスにかかるお金はある程度抑えてあるので、支払いなどは気にせず、自分のやりたい、叶えたい事業に対して全力を出してもらえたら嬉しいです。

桺本さん:最終的には投資をしてもらえるのですか?
土屋さん:面白いビジネスモデルには投資します。学生さんも大歓迎です。年齢制限などは特になく、12人のスモールなエコシステムから築いていきたい人のお手伝いができればと思います。支援をすることはとても大事なことだと思いますし、もっと盛り上がるいいきっかけになるだろうなって、僕自身すごくワクワクしています。東京と比較してみても、コンテンツの数は多いのに、着手している人は少なく、ビジネスチャンスがいっぱいある状態です。京都は本当に可能性のある場所なので、いろんな人たちが挑戦してくれるといいな、と思います

桺本さん:これから起業する人に向けてメッセージを!
土屋さん:起業するときに1番の天敵は『孤独』。Shared Office & House EVERに来ることによって、僕を含めて少なくとも12人のコミュニティを作ることができます。人との繋がりがあれば、企業としては間違いなく生きていけますので、起業することをためらっているであったり、恐れているというのであれば、お気軽に僕にお話しください。挑戦に対して不安を解消できるようにサポートしていきますので、是非よろしくお願いします。

約1時間にわたって行われた今回のイベント。
起業したいけれど、怖い。それは孤独故に感じることなのかもしれません。
シェアハウスを通して、たくさんの起業家達と交流することは、自分が前に進むための大きな一歩となることでしょう。

(レポート作成:澤村 花霞)

PAGE TOP