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Kyoto Startup Monthly Discussion #12レポート(2022/5/18開催)

Kyoto Startup Monthly Discussionは、京都から若い世代の起業家を創出するため、京都で活躍する先輩起業家とのパネルディスカッションや交流を通して、起業に対するハードルを下げ、京都発の起業家や新たなビジネスの種を発信していくことをミッションとしたイベントです。          今回は「DXの力でアフターコロナにおける飲食店のテイクアウトをサポート」をテーマに、株式会社ランプの河野匠さんをゲストに迎え、モデレーターの桺本さんを通じてお話をお伺いしました。

株式会社ランプはテイクアウトに特化したDXプラットフォーム「テイクイーツ」というサービスを展開されています。大学在学中に起業し、WEBマーケティングの受託事業を展開していた河野さんは、その経験を活かし、フードデリバリーサービスに進出しにくい店舗をターゲットに、テイクアウト専用の注文サイトを簡単に開設できるサービス、「テイクイーツ」を考案。リリースから2年で、全国約1200店舗において利用されています。テイクアウト業務をアップデートし、食卓にあかりを灯すことをビジョンに、様々な制限に囚われない食文化の創造を目指して日々、邁進しておられます。

※右側:株式会社ランプ  河野 匠さん   左側:モデレーター 桺本 頌大さん

桺本さん:学生起業を志されたきっかけはなんですか?                                                      
河野さん:初めのきっかけはシンプルで、たくさんお金を稼ぎたいな、と思って始めました。                                     桺本さん:そこからどう、今の事業にたどり着かれたのですか?                                                   河野さん:高校までずっとスポーツをやっていたのですが、それを辞めたとき何か他に夢中になれるものが欲しくてアルバイトばかりしていたんです。その中で、仕事をしてお金を稼ぎ、欲しいものを手に入れる、というサイクルに夢中になっていって。自分でこのサイクルを生み出してみたいな、と思うようになりました。そこから、海外の商品を安く仕入れ、日本で売る、というビジネスを思い立ち、その次の週にはニューヨークへ行きました。自分のクレジットカードの限界まで買い付けて、日本で販売していましたね。その事業自体は成功したのですが、あっという間に円高になってしまって、一年ほどでその事業からは撤退しました。その事業でかなりお金を使ってしまったので、キャッシュフローを保つためにホームページの作成を受託するようになり、そこから何度か自社サービスにチャレンジしましたがあまりうまくいかず受託事業中心に経営をしていると、いつの間にか7年の月日が経っていまして、今に至ります。                                                        桺本さん:起業された当時、京都で学生起業をする人はほとんどいなかったと思います。そこから今までずっとお仕事を続けてこられているのはすごいことですね。

桺本さん:どういったきっかけでこのサービスを思いついたのですか?                                                河野さん:コロナ禍になり、初めてリモートワークを体験し、自分でお弁当を買いに行かなくてはいけなくなった時に、電話でわざわざ予約しなくてはいけないことやお店で並んだり待ったりすることに不便さを覚えたんです。そこから着想を得て、このサービスを思いつきました。

桺本さん着想からリリースまではどのくらいの期間がかかりましたか?                                              河野さん:2ヶ月です。かなり頑張りました。最初は不具合だらけで大変でしたね。それでも当時はコロナがこんなに長引くと思っていなかったので、とにかく早くリリースしよう、と開発していました。

桺本さん:競合他社はありますか?                                                                   河野さん:ありますが、テイクアウトに特化している、という点で言えば少ないですね。

桺本さん:このサービスはどのような経緯で利用されることが多いのですか?                                            河野さん:もちろん、私たちから提案して利用していただく場合もありますが、半分以上は企業さんの方から利用を希望されて導入していただいています。                  桺本さん:導入経費がゼロということで、気軽に始めることができるのも良いですね。

桺本さん:全国に展開されているのですか?                                                           河野さん:そうですね、関西だけでなく北海道から沖縄まで全国で展開しています。ホームページ等でご興味を持っていただいた方が導入してくださっています。

桺本さん:今後、新たなサービスの展開を考えていますか?                                                     河野さん:我々はまだ小さなスタートアップなので、基本的には今の事業をしっかり伸ばしていくのが先決だと考えています。その中で、応用できることがあればチャレンジしていきたいですね。

桺本さん:今後、テイクアウト事業は成長していきますか?                                                    河野さん:今の状態的には微動です。しかし、ユーザーさんの生活様式も大きく変わりましたし、そこは伸び代があるかなと思います。今の市場は全てアナログで、9割以上の店舗さんが予約を電話で受け付けている状態です。今後はそこがどんどんデジタル化していくんじゃないかな、と僕は思いますね。

桺本さん:社名の由来はなんですか?                                                                 河野さん:地域社会を灯すランプになりたい、という想いからこの社名にしました。起業した当時から事業は移り変わりましたが、ビジョンは変わっていません。

桺本さん:今後起業を目指す方々にメッセージを!                                                        河野さん:今は起業する場所の制限もなくなってきているし、僕らが起業した10年前と比べると環境は随分良くなったと思います。そんな中で僕が伝えたいのは、まず一歩を踏み出すことが重要だということです。僕もとりあえずニューヨークに行ったところからここまで続いてきました。とりあえず一歩を踏み出すことで、新しい発見ができますし、どんどん次へと繋がっていきます。最初の一歩を、勇気を持って踏み出してみてください!

 

1時間にわたって行われた今回のイベント。コロナによって大きく生活が変わり、それに伴いニーズも変化してきました。自分の感じる不便さや違和感の解決策をサービスとして世の中に投げかけてみるのも、重要な一歩かもしれませんね。

(レポート作成:澤村 花霞)

 

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