EVENT REPORTイベントレポート

Kyoto Startup Monthly Discussion #15レポート(2022/8/24開催)

Kyoto Startup Monthly Discussionは、京都から若い世代の起業家を創出するため、京都で活躍する先輩起業家とのパネルディスカッションや交流を通して、起業に対するハードルを下げ、京都発の起業家や新たなビジネスの種を発信していくことをミッションとしたイベントです。

今回は「フィットネス×テクノロジーを実装した次世代型ジムとシステムの開発」をテーマに、株式会社LifeCoach CEOの加藤 恵多さんをゲストに迎え、モデレーターの桺本さんを通じてお話をお伺いしました。

株式会社LifeCoachは「1人でも多くの人の生活をスマートなフィットネス体験により、豊かにする」というミッションを基に、フィットネスジムのシステムを次世代型にアップデートしていくことで、日本のフィットネス参加率の劇的な増加を牽引されています。LifeCoachが運営する、フィットネスジム「Life Fit」はシステムを垂直統合した、完全無人でも運用が成立する画期的なジム店舗で、利用者は専用のアプリを使い、最短1分でジムの会員登録から利用までが可能です。24時間営業で入会金無料、更に格安で利用できるフィットネスジムとして、今までジムに通いたくても通えなかった方々を中心に、多く愛用されています。

※右側:株式会社LifeCoach 加藤 恵多さん
 左側:モデレーター 桺本 頌大さん

桺本さん:起業の経緯は?
加藤さん:大学生だった当時、コロナの影響で筋トレのために通っていたジムが閉まって、行けなくなってしまって。暇になってしまったので、バイクを買おうと貯金していた50万円を元手に、ワンルームの部屋を借りまして、そこでパーソナルジムを始めたんです。事業として少しだけ展開しながら、空いた時間に自分が筋トレしよう、程度に考えていました。

桺本さん:副業のような感覚で始められたのですね。その後すぐに今の事業形態になったのですか?
加藤さん:いえ、その後は学生専用フィットネスジムというのをやっていました。その時もまだスモールビジネスの延長の域を出てはいませんでしたが、段階を踏んで事業を進めていけているな、という感覚がありました。この事業に熱中する時間が増えてきて、解像度が上がり、今に繋がるようなビジネスアイデアが徐々に生まれてきたんです。

桺本さん:ちょうど本日(8/24)資金調達をされた、とのことですが、そのきっかけは?
加藤さん:僕は、短期間で一気に結果を出す、ということにやりがいを感じていまして。1つの事業や店舗を伸ばして行く、というよりかは、社会的にインパクトがあって、自分たちのやっていることをより認知してもらえるようなことがやりたいんです。そう考えていた時に、資金調達をしながら事業を伸ばして行く、という手段を知りまして、自分で色々勉強をした上で今回の資金調達に至ります。

桺本さん:起業する時点ではほぼ無知の状態だったんですね。そこから起業をするのはかなり勇気のいることだったと思うのですが、何か踏み切れたきっかけはあるんですか?
加藤さん:正直、起業をした、という感覚があまりなくて。起業しよう!と覚悟を決めて始めた感じではなく、好きだったフィットネス事業を趣味の延長線上のような形でスタートしました。大学生の時に法人登記を行っているのですが、もし上手くいかなくても、やったという事実が今後の人生において必ずプラスになる、と考えていましたね。

桺本さん:利用価格がかなり安く設定されている、とのことですが、どのようにして低価格を実現しているのですか?
加藤さん:ただ安いだけのジムではなく、その裏側の事業収益を上げ、再現性高くフィットネスジムを出店していく、というのが今フィットネス業界でやるべきことかな、と考え、実行しています。ジムに通わない原因として、価格が高い、近くにない、手続きが面倒、という3つが挙げられます。まずはそれらを解消できるような事業モデルを作っていこう、というのがLife Fit。基本的にシステムを全て内製化することによって、初期コストの削減や広告費カットなどが実現し、それらの積み重ねで今、収益性を高く保てています

桺本さん:具体的なLife Fitの利用方法を教えてください。
加藤さん:スマホで24時間いつでも登録から利用までが可能です。登録すると会員証となるQRコードが発行されまして、それをジム入り口のゲートにかざして頂くと入場できる、という仕組みになっております。

桺本さん:これからもっとIT化させていきたい部分はありますか?
加藤さん:利用開始のハードルは下げられたのですが、館内の体験に対するデジタル化を進めていきたいと考えています。セルフトレーニングの部分で初心者の方がまだ装置産業になってしまっていて、どれだけテクノロジーを絡めながら再現性を高くしつつ、初心者の方が継続的に使えるようなジムを作れるか、というところを、今後積極的に取り組んでいきたいと思います。IT化の難しいところは本当に求められているものを作らないと負債がたまっていくだけ、という点です。資金がかなり必要となるので、システムを直すのが本当に大変なんです。だから今は本当に求められているものは何なのかを、時間をかけて精査しています。

桺本さん:今後全国展開を視野に入れておられる、とのことですが、それについての今後の展望を教えてください。
加藤さん:直営店として出店するつもりはなくて、あくまでITの会社としてシステムに力を入れていこう、と考えています。それを基にパッケージ化したものをフランチャイズで出店していこうかと。弊社のミッションやビジョンに共感頂いた方と一緒にパートナーとして出店し、インフラを構築できれば、と思います。

桺本さん:入退管理や契約・支払いのシステムで共通しているコワーキングスペースとのシステムの違いは?
加藤さん:国内のフィットネス業界で24時間型ジムは2000店舗しかありません。24時間型に特化したシステムを作ってしまうと、市場が狭すぎて事業として成り立ちません。だから弊社は自社ブランドを構築したり、新規のフィットネスジムの供給量を増やしたり、フィットネスジムに関するクリエイティブやマーケティングも含んだ「イネーブラー:押し上げていく存在」を目指しているため、市場を気にすることなく24時間型ジムのシステム開発を続けることができます。

桺本さん:これから起業をしようと考えている方にメッセージを!
加藤さん:ただの大学生だった僕が今こうなっているのは、行動を重ねた結果だと思います。自分より少し先を歩いている人に沢山お話を聞きに行って、それを繰り返したから今があります。なのでもし、今日の話を聞いて興味を持って頂いたなら、お気軽にご連絡ください!そうやっていくとだんだんやりたいことに対する解像度が上がっていって、気が付いたら行動していると思います。

約1時間にわたって行われた今回のイベント。
私自身、久しく運動をしていないため、敷居が高いと感じていたジムに気軽に通えるのは、とても喜ばしいことです。
Life Fitからはフィットネスに対する熱い想いと愛を感じます。趣味を追求した先にある起業はとても夢がありますね。

(レポート作成:澤村 花霞)

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